2022-01-01から1ヶ月間の記事一覧

ダメな日

だいぶ落ち着いてきたつもりだけど朝起きてあのひとのことを思い出さないことはないし、数日に一度は感情が溢れそうになってしまう。しあわせな日を夢見たことが忘れられない。キツい。

すてきな夏になりますように

新型コロナウイルス感染症の新規感染者増を受けての「まん延防止措置」の期間ではあるが、ランタンパレードの『love is the mystery』リリースパーティーへ。人間の声が持つ、感情を揺さぶる力を実感する。こんなタイミングでなければシンガロングしたいフレ…

夜の散歩をしたかった

最近、休日はメシを二駅先で食ってその行き帰り歩くのをわりとやってる。あのひとが散歩を好きだったことを思い出して寂しくなったりしてる。ちゃんと付き合ってたのは寒い季節のあいだだけだったから、夜の散歩はあまりできなかった。それがしたかった。

ここは退屈迎えに来て

U-NEXTでの配信が終わるというツイートを見て、昨夜はあわててレナ・ダナム監督『タイニー・ファニチャー』を鑑賞。事前の期待ほど、目が覚めるような傑作とは思わなかったが、リーマンショック直後の大学卒業者が抱える閉塞感を描いてる面もあってみどころ…

夜更けの電話

昨夜は布団のなかでまどろんでいるとき、携帯電話の執拗なバイブレーションで起こされ、何かの勘違いかと思ったらKからの電話で、間違って応答してしまった。これから寝るところだ、というかほぼ寝ていたところだ、と言って電話を切ろうとしたのだが、子を寝…

きょうもまた満ち足りた日を

コロナ禍が本格化してもうすぐ2年。どこか時が止まったような気持ちで過ごしてしまったことをすごく後悔している。時間がちゃんと動いていたことを実感したときの絶望は、いま思い出しても苦しい。会いたいと言わなければいけなかった。

人生がくだらないなんて言えない

昨日の夜は浴槽に浸かりながらランタンパレードのことを考えていた。 あのひとと出会い、強く惹かれていたけど、あのひとが強く望んでいるであろう子をもつことについて前向きな気持ちになれず、はっきりと自分の気持ちを伝えられずにいた。おれは自分が漫然…

内と外

いつからか小説の読み方がだいぶ変わった自覚がある。言語的構築物として眺める視点から、作品世界の内側に入り込む視点に移ったとでもいうか……。年月を経てより素朴なほうに変わっているのは、自分では奇妙なことだと思っている。

好きなものは好きと

きょうは天から降ってきたような読書会。いい小説を読んで話すのは楽しい。自分が好きなものについて話すことで自分を知ってもらうのはうれしい。あのひとと初めてふたりで会うときに『タレンタイム』を観たことを思い出してしまった。

輪廻

いまでも朝起きてまず思い出すのはあのひとのことだ。「どうしたの?」と訊いてくるときの顔が、声が忘れられない。もう二度とないことならば忘れてしまいたいのに。なぜいま。

ニューロンシティの夜

原将人監督『20世紀ノスタルジア』を新文芸坐で観る。初見だけどどうせ広末涼子の完璧なアイドル映画なんでございましょ、と思いながらそれを観たくて観に行ったんだけど、100%正しくて100%間違ってた。合計があわない感じの怪作だった。おれの知らないす…

誕生日の子どもたち

レイモンド・カーヴァーの短編を読み直していて、自分の読みがあきらかに学生のころと変わってきていることを実感する。この作家の持っている資質の、最良の部分に触れられるようになった気がする。それは自分の人生にも、それなりにいろいろあったからなの…

ちゃんと生きてこそ

きょうは3年か4年ぶりにスーツを買いに行った。前にスーツを買ったときはたぶん体重が100kgに近かったから、だいぶ落ちたあとも長らくそれを着ていたことになる。生地の余った部分がこすれあってぼろぼろになっているのには気づいていたが、正直なにもかも億…

反貞女大学

須藤蓮監督『逆光』を観る。先日ゴールデン街で飲んだとき、たまたま同席した著名な映像作家に渡辺あや脚本ということで教えてもらい、興味を持っていた映画。三島にかぶれた大学生が、留年してる先輩を連れて夏休みに地元・尾道に帰る話。1時間ちょっとの小…

やれん

ときどき前向きな気持ちにならなくもないが、まだ全然つらい。與那覇潤『日本人はなぜ存在するか』を読んでいて戸籍の話が出てきたとこで泣きそうになった。バカみたいだ。

いつか消えるってすばらしい

ひさびさにラーメンを食いたくなってしまったので、隣町まで行って昼メシとして食ったあとひと駅ぶん歩くあいだ、Lantern Parade『love is the mystery』を聴く。去年九月のリリース時に配信で買ったけど忙しくて聴いてなかった。「気ままに踊ろう」というラ…

ラッキースケベと津波

千葉雅也・二村ヒトシ・柴田英里『欲望会議――性とポリコレの哲学』を読む。「『ゆらぎ荘の幽奈さん』問題をめぐって」で、千葉雅也が「東日本大震災以降の責任の問題」の話題に接続して次のようなことを言っていた。 海の逆噴射によるラッキースケベの描写か…

名詞一語文

トニ・モリスン『青い眼がほしい』を読みはじめた。 しかし、母親と〝言い争う″のは、たしかに子供のするべきことではない。わたしたちのほうから、おとなと話を始めることはない。わたしたちは、おとなの質問に答えさえすればいいのだから。(大社淑子訳『…

キング

昨夜の帰宅後、レコーダーが自動録画を開始していることに気づいた。そういえば『水曜日のダウンタウン』で大食いに関する「説」を検証する的なPRをtwitterで見た気がするな、と思い放送中の番組を確認してみると、大食いと「ストラックアウト」を組み合わせ…

せいめいのきき

本日は敬愛する先生と仕事関係者との食事会。東京都の新型コロナウイルス新規感染者数爆増中だが、今後しばらくは状況が悪化するだろうからいまのうちに、ということでマスク会食を決行。「人間は40歳くらいになるとひとりでいることに生命の危機を感じるよ…

ワタシガタリの神話

連休明けの仕事はキツい。朝早く起きてしまって二度寝できず、就業中に一瞬意識を失いそうになった。気を取り直したあとも、寂しいときに寂しいとちゃんと言えなかったから、あのひとも寂しいことに気づけなかった自分、みたいなことばかり考えて沈んでいた。

何を見ても何かを思い出す

ヘミングウェイの短篇「何を見ても何かを思い出す」(高見浩訳『蝶々と戦車・何を見ても何かを思い出す――ヘミングウェイ全短編3』、新潮文庫)を読む。苦い。でもタイトルがいい。I Guess Everything Reminds You of Something. 昨日は二回目の映画『偶然と…

ゴールデン・ベスト

昨夜は『春原さんのうた』を観たあと、友人がバーテン(日替わり)をしている新宿の店に飲みに行った。若干緊張していたのだが、店に入った瞬間、同じグループの別の友人も来ていたという偶然におどろく。twitter上ではお互い生存確認をしていたけど、顔を合…

ふたり歩いてゆくはずでした

杉田協士監督『春原さんのうた』をポレポレ東中野で観る。『偶然と想像』が、ひととひとがためらわずに言葉をかわすことのできるパラレルワールドの現在を描いていたとしたら、『春原さんのうた』はためらいがちに言葉をかわす現在のリアルを映した映画と言…

次の朝につづく

きのうは朝テレビで見た予報より早く、昼前に本格的に雪が降りはじめた。同僚たちが「すごい雪降ってるね!」と沸いていた。おれは、「すごい雪降ってるね!」をあのひとと分かち合えないことを寂しく思った。あのひとと過ごした冬には雪は降らなかった。ふ…

冬はつとめて

自炊をするために台所に立つと、あのひとのことを思い出す。別れをほぼ決意したあとに、どんな気持ちでおれにメシを食わせてくれたんだろうか。寒い冬の朝、調理をするなかでだんだんとあたたかくなっていく台所でおれを思ってくれていたんだろうか。そのこ…

ドア

仕事始めの会社に向かう電車で「文學界」2021年9月号を開いていた。映画『ドライブ・マイ・カー』をめぐる濱口竜介と野崎歓の対談を読むためだ。『偶然と想像』があまりに素晴らしかったので、もっと理解するためのヒントが欲しくなったのだ。 感情を抜いて…

復活の日

アーティゾン美術館に「ジャム・セッション 石橋財団コレクション×森村泰昌 M式『海の幸』――森村泰昌 ワタシガタリの神話」を観に行った。www.artizon.museum おれはビジュアルの芸術に苦手意識があるというか、いつまで経ってもおもしろがりどころがつかめ…

最後の扉は開けたままで

カポーティの短編集『夜の樹』を読んでいて、「最後の扉を閉めて」という作品にさしかかり、これがすごすぎて先に進めなくなった。田舎からニューヨークに出てきてそれなりにうまくやっていたであろうウォルターという男が、ほぼすべてを失うことが確定した…

現実(よりもっと真実)

濱口竜介監督『偶然と想像』をBunkamura ル・シネマで観る。 guzen-sozo.incline.life 現代劇で男女の恋愛や結婚に関するものに触れたとき、あまりにダイレクトに自分のなかで消化できていない感情を刺激されて苦しいと感じることが最近多かった。それは物理…