2022-07-01から1ヶ月間の記事一覧

わたしたちの望むものは

ウィリアム・フォークナーの短編をいくつかまとめて読んでいると、40歳という年齢がひとつの境界であることは長いあいだ変わっていないのだなと思う。 あのひとと出会ったことで、おれのおれ自身の人生に対する評価はだいぶ変わった。まずは上昇し、そして下…

夏のはじまり( 終わり)

仕事がまあまあ忙しい一週間が終わって、まあ終わっていないのだけれど、ひといきつけるタイミングになって、考えるのはあのひとのことだ。あのひとがいないとなにも思わない人間になってしまった。この週末もまた仕事をちょっとしたらあとはだらだらしてる…

苦しみの源泉

あのひとといっしょに過ごす人生が自分の手からこぼれていったとき、そのなにがいちばん自分にとってつらかったのか、ということを考える。自己肯定感がもてなくなったこと、という一般的な理由なのか、それとも、あのひとともういっしょにいられない、とい…

恋はいつも幻のように

あのひとと会えなくなってからずっと苦しい、苦しいと言っているのだけれど、自分のこれまでの対人関係を考えたら、ずっといっしょにいたい、と思える相手と出会えたことは、その願いが叶わなかったとしても祝福すべきことなのではないか、とも思う。それま…

キズパワーパッド

昨日は仕事をしてて紙で指を切ってしまった。絆創膏を買わなきゃな、と思った瞬間、あのひとといっしょにすごしていたころに、同じようにおれが指を切ったとき、あのひとがキズパワーパッドをくれたことを思い出した。これを貼るときれいに早くなおるんだよ…

なにかを

飲酒を伴う会食が増えてきて、睡眠が不規則になってる。帰宅してから風呂に入って寝るまでの時間がどんなふうに過ぎていっているのかわからない。 なんだかんだと飲み会に参加してしまうのは、自分にやりたいことがないからなのはわかっている。あのひとと別…

必要になったら電話をかけて

昨夜は是枝裕和監督『ベイビー・ブローカー』を観た。ペ・ドゥナ演じる刑事が夫に電話するシーンで、おれはあのひとが苦しいときに電話してほしかったのだなと思い寂しくなった。なんの予告もなくあのひとから電話があったのはたぶん2回だけで、そのときの気…

どんなふうに

あのひととの関係をすこしずつ進めていったときのことを思い出して、そのときのうれしかった気持ちを思い出す。悲しいけどやさしくなりたい。

その日の前に

昨夜の会合では、あのひとのことをある種の一般論として話すことができた。それが自分にとってよいことなのかどうかは、わからない。

夏休み

朝、通勤時間帯の電車に乗ってる顔ぶれが変わって、夏休みの期間に入ったことを実感する。あのひとと相談して休みの予定を調整して、いっしょにどこかへ行く、そんな夏を一度でもいいから経験したかった。あのひとと最初に会った夏を、もっと有効に使えてい…

夢のなかへ

ひさしぶりに中途覚醒もなく、目覚まし時計が鳴る時刻まで寝た。内容はさだかに覚えていないが、夢にあのひとが出てきてくれたような気がする。こんなときは日本の古典常識を活用して、あのひとがおれのことを考えてくれているあらわれだと思うようにしよう…

行間

今朝体重計に乗ったとき、1kgを「いっキロ」というあのひとの声を思い出した。毎日体重計に乗る習慣も、副菜のつくりおきも、スーパーで買う卵の銘柄も、ぜんぶあのひとの影響だ。人生を文章にするとして、おれはあのひとと別れたあとの一行がまだ書けない。…

泣くほどすごいことなんて

あのひとと最初にあったのは三年前のきょうだった。会えなくなってからずっと苦しいけれどここしばらくは特にすごく苦しい。長いこと自分の感情にふたをしていたこと、あのひとがきっとそれをわかってくれていたことを考えると、どうしたらよかったのかがわ…

染まるよ

チャットモンチーの「染まるよ」が長いこと頭のなかで鳴っている。あのひとを着せないで見られるひとに今後出会うことはあるのだろうか。

誠実さについて

あのひとは、おれが課題に向き合う姿勢を誠実だと言ってくれた。おれがそうあろうとした姿を言葉にしてもらえた気がして、ほんとうにうれしかった。でもなにも変えられなかった。誠実であろうとすることの価値とはなんなのか。

近づいて

自分にとって大事な日になるはずだった、あのひととはじめて会った日付が近づいているからか、いつもよりさらにあのひとの存在を具体的に思い出す日が続いている。たとえばこんな三連休のはじまりの朝に、自分でないだれかが、あのひとの隣で目覚めているこ…

思い出になるまえに

愛したひとに受け入れられなかった、ということがこんなにもキツいんだということを日々実感しながら、多くのひとがこれを乗り越えて生きているのだとしたらみんなタフすぎるだろ、と思い、その裏返しで自分の弱さがいやになる……という負のフィードバックル…

幸福な朝食

あのひとと会わなくなってからずっと寂しいけれど、特に寂しいのは平日の朝、味噌汁をつくって飲んでるときかもしれない。あのひとは朝をわりとちゃんと食べるひとだった。おれは「もうすこし寝たい」といって、あのひとのつくったスムージーだけもらってい…

すこしでも

あのひとと会わなくなってから連絡を取らなくなるまでのバッファの期間に、あのひとからもらったメールのなかの「どうしてそんなに自分の感情を犠牲にできるの?」という言葉が何度もよみがえってくる。おれはたぶん、自分の感情がそんなに大事なものだと思…

わからないこと

なぜ、あのひとといっしょに過ごすことがもうないということだけがこんなにしんどいのか。なぜあのひとだけが自分にとって特別な存在なのか。どうしてそれがわからないのか。わかればなにかが変わるのか。ずっとぐるぐるしていてなにも動かない。

口癖のように

あのひとといっしょにいることができなくなってから、ひとりでいるときに「はぁ……つまんないな」と口に出して言うことが増えた。以前は、それを言う人間がいちばんつまらないと思っていて、自分がそうなってしまったことをきついな、と思いながら毎日生きて…

人の幸せ

著名人の結婚報告がしんどい。結婚したくてできないとき、別に好きでも嫌いでもない他人の幸せを知ることがこんなにストレスだとは知らなかった。自分が厭になる。

一夜明け

元首相が銃撃されるという事件。昨日はその報道一色で、職場のテレビもつけっぱなしだった。「民主主義への挑戦」とか「言論封殺」とか「絶対に許すべきではない」とか、論点をずらした空疎な言葉が一日中聞こえてきてキツかった。志位和夫も同じようなこと…

強く儚い者たち

たいせつなものを築けなかった。あのひとに会おうとしなかったコロナ禍の時間を思うとき、それがいちばんの後悔になる。つらい日々をともに乗り越える経験になったはずなのに。

どんなときも。

今朝は中本に並んでるというなんの夢もない夢を見ていたが、テレビをつけたら明治神宮の話題をやってて、ああ、と思った。あのひとは結婚式は明治神宮でしたいと言っていた。おれが叶えられなかったその夢を、だれかと実現したのかな。知りたくないのに気に…

あのひとの両親にあいさつすることを想定して土産にするつもりだったものの処分が昨夜終わった。これで自分の気持ちに整理がつけばいいのだけど、今朝はまだ、そのことを考えてしまっている。

ふしぎ

あのひとは不思議の国のアリスが好きだった、横浜でアリス展に行ったのは楽しかった。あれからもう二年以上経っているなんて信じられない。おれは今年、六本木のアリス展に行くのだろうか?

言葉にできない

昨日は朝メシを食おうと思ったけど力が出なくて寝て、昼メシのあともしばらくして寝た。夜はちゃんと自炊をしたが、料理をすることであのひとを思い出すのがキツかった。あのひとといっしょに暮らして、いっしょにキッチンに立ちたかった。その可能性は目の…

この人生

この人生ではあのひとといっしょに過ごすことはもうない、という以上の絶望はない。このことを、ただ反芻するだけの毎日が、キツい。

自我のめざめ

起きた直後にあのひとを思い出すことが多いのは、あのひとをそばに感じながら寝ていた日々の記憶がいちばんあざやかだからなのか。夢のように短い時間でしかなかったのに、ずっと忘れられないでいる。人生が二度あれば。