人生がくだらないなんて言えない

昨日の夜は浴槽に浸かりながらランタンパレードのことを考えていた。
あのひとと出会い、強く惹かれていたけど、あのひとが強く望んでいるであろう子をもつことについて前向きな気持ちになれず、はっきりと自分の気持ちを伝えられずにいた。おれは自分が漫然と生きてきたことでこの先おそらく没落していく一方であろうこの国で子をもつことの責任の重さを受けとめる自信がなかった。反出生主義関連の本を読んでも明快に論駁できないと思った。
そんなときにランタンパレードの「胸が痛い」という曲を思い出した。「人生がくだらないなんて言えない、心の底から笑ったことがあるから」と謳う歌だ。おれ自身にも、心の底から笑ったことがあるし、愛する人にも出会えた。自分の人生を肯定できるなら、愛する人と子を育て、その子が自分の人生を肯定できるように一緒に生きることができるんじゃないかと思えた。それは幸せなことなんじゃないかと思えた。
そのように考えを変え、あのひとに自分の気持ちを伝えてからの数か月は、間違いなくおれの人生最良の時間だった。そのことをもっと、もっとよく考えるべきだったといま思う。