復活の日

 アーティゾン美術館に「ジャム・セッション 石橋財団コレクション×森村泰昌 M式『海の幸』――森村泰昌 ワタシガタリの神話」を観に行った。

www.artizon.museum

 おれはビジュアルの芸術に苦手意識があるというか、いつまで経ってもおもしろがりどころがつかめた感じがしなくて、特に絵画に関しては美術館や博物館に行っても「お勉強」にしてしまうタイプの客なのだが、森村泰昌はなんかおもしろいので、タイミングが合えば観に行くことにしている。今回は「明治を代表する洋画家」だという青木繁(知らなかったけど)の作品をどのように変奏するかという過程も含めて見せる展示ということで非常に興味深かった。おれが森村の仕事をおもしろくみられるのは、作品と批評が地続きになっていて、言葉で理解することを許容してくれる雰囲気のあるものだからというところが大きいのかもしれない。
 しかしいちばんよかったのは、森村が今回の一連の展示を製作するきっかけとなった作品、青木繁《海の幸》そのものだった。これのおもしろさはまだ自分のなかで言語化できておらず、今回、入場時間の区切りを入替制と間違えて90分で出てきてしまって消化不良だったのであと1回観に行くことにして、そのときしっかり考えようと思う。