映画

『T ITANE/チタン』

昨夜はレイトショーでジュリア・デュクルノー監督『TITANE/チタン』を観る。ほぼ何も知らないで観に行ったので奇妙な映画すぎてびびった。なに考えたらあんな脚本になるのか? とも思ったけど、実は浪花節、という感じもした。 父、という存在についての映画…

not really

昨日は新宿ピカデリーでレオス・カラックス監督『アネット』を観た。直前までヴァージニア・ウルフ『自分ひとりの部屋』を読んでたから設定の根底にある発想とはわりと容易に共振できた感じがある。Web上では「有害な男性性」についての映画だという評も見か…

らぐなろっく

3月に地方転勤が決まったKと引っ越し前にメシを食っておこうという話になって、いわゆる「まん防」期間中ということもあり大勢で集まるわけにもいかないからラーメンを黙食しよう、の流れで昨日は西日暮里の「えどもんど」へ。開店時刻を目掛けて行っておそ…

ここは退屈迎えに来て

U-NEXTでの配信が終わるというツイートを見て、昨夜はあわててレナ・ダナム監督『タイニー・ファニチャー』を鑑賞。事前の期待ほど、目が覚めるような傑作とは思わなかったが、リーマンショック直後の大学卒業者が抱える閉塞感を描いてる面もあってみどころ…

ニューロンシティの夜

原将人監督『20世紀ノスタルジア』を新文芸坐で観る。初見だけどどうせ広末涼子の完璧なアイドル映画なんでございましょ、と思いながらそれを観たくて観に行ったんだけど、100%正しくて100%間違ってた。合計があわない感じの怪作だった。おれの知らないす…

反貞女大学

須藤蓮監督『逆光』を観る。先日ゴールデン街で飲んだとき、たまたま同席した著名な映像作家に渡辺あや脚本ということで教えてもらい、興味を持っていた映画。三島にかぶれた大学生が、留年してる先輩を連れて夏休みに地元・尾道に帰る話。1時間ちょっとの小…

ふたり歩いてゆくはずでした

杉田協士監督『春原さんのうた』をポレポレ東中野で観る。『偶然と想像』が、ひととひとがためらわずに言葉をかわすことのできるパラレルワールドの現在を描いていたとしたら、『春原さんのうた』はためらいがちに言葉をかわす現在のリアルを映した映画と言…

現実(よりもっと真実)

濱口竜介監督『偶然と想像』をBunkamura ル・シネマで観る。 guzen-sozo.incline.life 現代劇で男女の恋愛や結婚に関するものに触れたとき、あまりにダイレクトに自分のなかで消化できていない感情を刺激されて苦しいと感じることが最近多かった。それは物理…

不破の苦しみに触れる

「恋をするって人を分け隔てるという事じゃない」。これはよしながふみ『愛すべき娘たち』第3話のメインキャラクターである若林が、何度かの見合いを経て出会った、おそらくは初めて愛することができるかもしれなかった相手・不破との話を断ったあとに述べる…