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昨日は新宿ピカデリーレオス・カラックス監督『アネット』を観た。直前までヴァージニア・ウルフ『自分ひとりの部屋』を読んでたから設定の根底にある発想とはわりと容易に共振できた感じがある。Web上では「有害な男性性」についての映画だという評も見かけて、わかるけどもうちょっとツイストがあるでしょ、という感じもした。これは他者をリアルからリアリティのレイヤーに落としこんでエンタメとして消費しようとする、おれたちの欲望についての物語だろう。その意味で興味深く観たけど、ヘンリーとアンの幸せそうな時間が、ありえたかもしれないあのひととおれの時間を想像させてきてキツかった。全部この感想かよと思うけど、そう思うことは止められない。