残ってる

自分はいつごろまであのひとのなかに存在できていたのだろう、と思う。いや、無くなってはいないのだろうけれど、おれに対してあのひとが過去の恋人たちのことを語ったように、現在と切断された場所としての過去のなかに置きなおされたのはいつだったのだろう。ふたりで過ごしているときからすでに現在のなかにはいなかったように思うときもあるし、おれの荷物があのひとの部屋にあった間は現在とつながっていることができたように思うときもある。それがわかることにもう意味はないけれど、知りたかったように思う。