うらない

あのひとと温泉旅行に行ったとき、町をぶらぶらと歩きながら生年月日の占いの話を聞いた。すごく相性のいいパートナーになるか、ライバルになるか、いずれにしても激しくよく似ているというようなことだった。聡明な彼女が占いとかの話をするのは意外だったけど、悪い結果じゃなければそうかもねと思うことにしているおれは、ライバルって感じじゃないしすごく相性のいいパートナーになれるんじゃない、という相槌を打った気がする。
いま思い出すとこのことも、あのひとがおれとの関係を続けるべきかどうか、必死で考えてくれるなかでのことだったんじゃないだろうか。結婚の相手としてはふさわしくないと、あのひとの理性がそう判断しているおれのことを、なんとか考え直そうとしてくれていたのではないか。もうわからないけど、そんなふうに思うと、涙が出てくる。