わからないこと

きょうも朝起きてまず考えるのはあのひとのことで、あのひとにとっておれはなんだったのかということだ。望んだような相手じゃないと思ってからもしばらくのあいだいっしょにいてくれたのはなぜだったんだろう。なにかあのひとの気持ちを変える方法はないかとあがいて「希望はあると思いたい」と言ったおれに「わたしに希望はないの……?」と訊いてきたあのひとの声、そのときのおれの絶望が忘れられない。そんなふうに思っていたのなら、なぜいっしょにいてくれたのか。あのひとの希望になりたかった。