比較

もうあのひとといっしょに生きる未来はないのだから、また愛するひとに出会えるように動くほか選択肢がないことはわかっているし、誰かを紹介しようかというありがたい話もあったけど、あのひととの日々があまりにも幸せだったから、比べてしまいそうで踏み出すことができない。「結婚は難しい」と言われて以降の数か月は楽しいことばかりではなかったはずだけど、あのひとと生きるという希望が残っていれば、それに向かって動くことはよろこびだった。その日々が、あのひとにとって苦しいだけのものでなければいいのだが、と思う。