ひとつだけ

酒が抜けなくてびっくりするほどなにもできなかった土日、どこかのタイミングでテレビをつけたとき、たぶんこれが『ダイの大冒険』だろうな、と思われるアニメが放送されていた。あのひととは音楽や映画についてよく話したけど、漫画はそんなに話題にあがることがなくて、あまり読まないのかなと思っていた。ただ、「『ダイの大冒険』はめちゃくちゃ好き」と言っていた。大学時代の友人連中にもこの作品が好きなやつが多くて、おれは乗り遅れた感もあってなかなか手が出なかったのだけど、いま思うとそこにあった「継承」のモチーフは、あのひとが子どもをほしがることと直接に結び付いていたのかもしれない。どこかで、できるだけ早く、『ダイの大冒険』を読んでおくべきだったのかな、と、思う。