おろかなり

あのひとと会わなくなってからも、あのひとのことを考えなかった日は一日もないのだが、そのことはあのひとに知られないほうがいいのかなと思っていた。なにごともなく毎日を過ごしているかのように装っていた。もしかしたらそのことが、あのひとを傷つけていたのかもしれない。あなたのことを考えています、と、伝えるべきだったといまは思う。