100 回泣くこと

おれはこどもだったとき、ほかのこどもが親に何かを買ってもらえずに泣くのを見て、くそださいな、あんな姿を他人に見られるなんて恥ずかしすぎるだろ、と思っていた。でも、もう手に入らないもの(という表現が適切かはわからないが)を思って自分の無力さに泣くしかないとき、泣きたくなるほど手に入れたいものがなかっただけなのかもしれないと思うのだ。
変えられない過去の積み重ねとしての自分、にはどうしてもできないことについてあのひとと話すとき、泣いてしまうおれはあのひとに何度も怒られた。あなたとの未来を、おれはほかのなによりも希望しているのだと、言えばよかったのだろうか。もうわからない。