すこしちいさな

あのひとの夢を見る。寝ているとき、すこしだけちいさなパジャマから出ている、あのひとのおなかに手をまわしてみるのが好きだった。つめたい、といやがられることもあったけれど、おれとしては寒そうなすきまを覆っているつもりだった。守ってあげたい、などとおおげさなことを思っていたわけではないけれど、さむいさむいと言っているあのひとがすこしでもさむくないと思ってくれたら、と願っていたのだ。いびきがうるさいと怒られることも、もうない。