ひとりで

きょうはひさしぶりにちょっとした遠出をする。出掛ける準備をしているとき、あのひととの、一度だけの泊まり掛けの旅行のとき、宿の部屋について荷物を置く場所を考えたりしているときの至上の幸福感を思い出したりしていた。
あのひとと出会うまでのおれは、なんでもひとりでやっていけるつもりでいたし、ひとりでもずっと楽しかったから、自分が最強だと思っていた。まさかひとりでいることを寂しいと思う日が来るなんて、思ってもいなかった。なんて傲慢で、なんてあさはかだったのだろう。