存在の耐えられない軽さ

1か月ほどまえからミラン・クンデラ『存在の耐えられない軽さ』をすこしずつ読んでいる。「究極の恋愛小説」とかいう惹句に鼻白むところがあって手にとらないままきた作品だけど、カーヴァーの評伝にエピグラフとして使われていた部分にピンとくるものがあって読んでみたらめちゃくちゃ変な小説で、好物の部類だった。あのひとのことを考えるたびに人生をやりなおしたい、と思ってしまうおれには読んでいて苦しいと感じられる部分もあるが、それだけではないように思う。小説を読むことでしか働かない頭のなかの部分があり、そこを働かせることは自分に必要なことだ、とも感じる。もっと早く読んで、あのひととこの小説について話したかったな、と思う。